現在、大人気になっている「獺祭」
この「獺祭」を造っているのは「旭酒造」という酒蔵です。
ここでは獺祭を造っている旭酒造株式会社について書いてみます。
旭酒造は山口県岩国市の酒蔵
旭酒造株式会社は、山口県の岩国市にあります。
岩国市の中でもさらに車で山の中に数十分行ったところに、旭酒造の本社と工場があります。
もともと江戸時代から200年以上続く酒蔵ですが、獺祭を造り始めるまでは地元で消費されるお酒を造っていた小さな酒蔵だったそうです。
私も山口県に住んでいたことがあり岩国市に何度か行ったことがあるので実感できるのですが、世界的に有名な日本酒メーカーがこんな田舎にあるということに驚かされます。
獺祭しか造らない
旭酒造の大きな特徴は、「獺祭しか造らない」酒蔵であるということです。
獺祭は普及品のお酒でも「純米大吟醸酒」であり、旭酒造は純米大吟醸酒しか造らないという全国でも珍しい酒蔵なんです。
現在日本で造られているお酒の7割は「普通酒」にカテゴリーされているお酒になります。大手の酒蔵でも一番売れていて利益になっているのは「普通酒」です。
以前は旭酒造でも「旭富士」という普通酒を造っていましたが、獺祭が売れ始めたころに「獺祭だけを製造する」という方針にシフトする決断をしました。
安い普通酒を造るのをやめて、高く売れる高級酒である「純米吟醸酒」に集中するという決断をしたことで、現在日本のみならず海外でも人気がある獺祭はここまで成長することができたのです。
生産体制が革新的!
旭酒造は、酒蔵の常識を覆す様々な取り組みを行っています。
その中のいくつかを紹介します。
杜氏がいない
旭酒造は以前経営危機を脱出するために地ビール事業を始めたことがあります。
日本酒造りは冬にしか行われないため、夏に高い需要があるビールを造ることで1年中工場を稼働させようとしたのですが、これが大失敗に終わってしまいました。
この失敗により旭酒造が倒産の危機にあるという噂が流れたため、その翌年に杜氏がお酒造りに来なかったという事態が発生しました。
ここで旭酒造の桜井社長の凄いところは、杜氏がいないなら自分たちだけでお酒を造ろうと考えたことです。
それまで杜氏の経験と勘によって行われたお酒造りを、徹底的に数値にしてデータ管理することで、洗米・浸漬の給水量からアルコール発酵の進み具合まで、日々データを分析しながら管理しているそうです。
旭酒造のホームページに、獺祭を造る工程について詳しく書かれています。
旭酒造 獺祭ができるまで
杜氏がいない、データ管理が行われているといっても、製造工程を機械化しているわけではなく、最高品質の日本酒を作るために、社員が仕込みの多くの工程を手作業で行っていることがわかります。
一年中生産体制
酒蔵内の温度、湿度を管理できるようにの空調設備を完備しました。
ほとんどの酒蔵では冬の寒い時期にしか日本酒造りは行われませんが、このことによって旭酒造では1年中日本酒造りができるようになりました。
このことによって生産能力が上がり売り上げが上がることにつながりました。
東京市場でのマーケティング
地方の酒蔵で造られた地酒はその地方で消費されるということが基本だった時代に、社長自ら日本全国を売って回り、東京進出も積極的に行ないました。
がっちりマンデー!!
人気急上昇!日本酒「獺祭」を作る旭酒造
その結果、東京で認められたことをきっかけに全国的な人気銘柄になることができました。
現在では、海外で売ることを視野に積極的なマーケティングを行っています。
昨年には著名なフレンチシェフであるロブション氏との提携でパリに店をオープンしたりしています。
獺祭が1流の料理人にも伝わる魅力があるということに驚かされますね。
獺祭を実際に飲んでみた感想
獺祭は全国的に有名になったこともあって、高級酒のイメージを持たれている人もいるかもしれませんが、実はそんなことはありません。
人気に対して生産量が追い付いていない時期は、高額で転売されていたこともあったのですが、現在は生産が安定しているためAmazonや楽天で定価で購入することができます。
高い高級酒なのではなく、安くておいしい高級酒なのが獺祭の最大の魅力ではないでしょうか?
実際にAmazonで買って飲んでみました。獺祭はAmazon自身が在庫を持っているのでAmazonプライム会員であれば送料無料で購入することができます。
実際のお酒の色は無色透明でした(写真を撮り忘れた・・)
味の特徴
まず冷や(常温)で飲んでみたのですが、一番最初の口当たりが甘いのに驚きました。
のど越しはさわやかなのに香りも味も華やかなので、ワインに近いという感想を持つ人がいるのもわかる気がします。
日本酒が苦手な人におすすめな日本酒だと桜井社長が言っている通りの日本酒だと思います。
もしかすると、食事に合わせるよりもお酒単体で楽しむのが一番おいしいかもしれません。
保存方法と期間は?
旭酒造のホームページによると、開封後は劣化が進むので3日をめどに飲み切るように、ということが書かれています。
実際、開封直後が一番おいしく飲めて、1週間もするとかなり甘みや華やかさが薄くなった印象の味になります。
できるだけ飲み切れる量のを購入して、保存する場合はできるだけ空気に触れないようにする工夫が必要になると思います。
まとめ
以上、獺祭を造っている旭酒造株式会社のお話しでした
東京にある獺祭バーや銀座の獺祭ストアなどの展開から、マーケティングが上手い会社というイメージを持っている人もいるかもしれませんが、1流の料理人にも認められるくらいのしっかりとしたお酒造りをしている会社でもあります。
日本酒に苦手意識がある人は、ぜひ1度獺祭を飲んでみてほしいなと思います。
たぶん、日本酒のイメージが変わると思います!