現在日本で一番多く作られている酒米は山田錦ですが、日本酒ファンの間でその山田錦と人気を2分けすると言われているのが「雄町」という品種のお米です。
そこで、ここでは雄町に興味を持った日本酒初心者のために、雄町でつくられた美味しい日本酒を紹介してみたいと思います。
少し数が多いですが、酒蔵がある県名ごとに紹介していますので、目次から飛んでいただければ幸いです。
雄町サミットとは
雄町サミットとは、雄町でつくられた日本酒のみを対象にした日本酒のコンペ(鑑評会、競技会)です。
日本酒のコンペはたくさんありますが、1つのお米の銘柄にしぼったコンペは雄町サミットだけだと思います。
ここでは2019年7月に開催された雄町サミットの結果から、2019年に飲んでおいしい雄町の美味しい日本酒を紹介してみたいと思います。
参考:【取材レポ】第11回 雄町サミット鑑評会 優等賞受賞酒発表!
【第11回雄町サミット 歓評会 優等賞受賞酒】
雄町サミットは、吟醸酒(純米吟醸を含む)の部と、純米酒(精米歩合60%以上)の部、純米酒(精米歩合60%以下)の部の3部門で行われます。
ここでは吟醸酒の部門の優等賞に選ばれたお酒を都道府県ごとに紹介していきます。
審査対象137点から優等賞31点が選ばれています。
岡山県
利守酒造㈱ 赤磐雄町生
雄町を復活させた利守酒造㈱が造った「赤磐雄町生」です。
雄町の中でも最高級品である岡山県赤磐市産の雄町(精米歩合38%)を使用した純米大吟醸の生酒です。
価格は720mlで税込み3,600円。
数量限定の販売になっていますので、興味がある方はお早めに!
参考:利守酒造㈱ 赤磐雄町生
平喜酒造㈱ 超特撰 喜平 純米大吟醸 雄町の雫
岡山県浅口市鴨方町にある平喜酒造が造っているお酒です。
雄町を精米歩合40%まで磨いてつくられた純米大吟醸酒です。
しぼりたての原酒を無濾過で瓶詰したお酒で、滓(おり)と呼ばれるにごりの成分が沈殿しているのが特徴です。
さわやかな香りとのど越しが特徴のお酒で、常温か冷蔵庫で冷やして飲むのがおすすめなんだそう。
価格は、720mlで2,214円です。
宮下酒造㈱ 極聖 純米大吟醸 高島雄町
岡山市にある宮下酒造は日本酒のほかにも地ビール、焼酎、梅酒なども製造している総合酒類メーカーです。
極聖は(きわみひじり)と読みます。
高島雄町を精米歩合38%まで磨いてつくられた。
参考:宮下酒造株式会社
室町酒造㈱ 櫻室町 純米大吟醸 ゴールド 雄町米の里
岡山県赤磐市にある室町酒造㈱がつくった純米吟醸酒です。
精米歩合40%まで削った雄町米と、名水百選に選ばれた「雄町の冷泉」で仕込まれた、甘い香りとふくらみのある味わいが特徴の純米吟醸酒となっています。
価格は720mlで3000円。1800mlで5000円です。
参考:室町酒造㈱ 櫻室町 純米大吟醸 ゴールド 雄町米の里室町酒造
岩手県
㈱南部美人 南部美人 純米大吟醸 雄町
岩手県の有名な酒蔵である南部美人がつくった純米大吟醸酒です。
精米歩合50%まで磨いた雄町米と、折爪馬仙狭伏流水で仕込まれた純米大吟醸酒となっています。
M310酵母を使用していて、カプロン酸エチルというリンゴのような香りとフルーティな味わいが特徴の日本酒となっています。
宮城県
阿部勘酒造㈱ 阿部勘 雄町 純米吟醸
宮城県塩竈市の阿部勘酒造㈱がつくった純米吟醸酒です(公式ホームページに情報が無いので、期間限定酒なのかもしれません。)
精米歩合55%まで磨いた岡山県産の雄町米でつくられた純米吟醸酒となっています。
㈱新澤醸造店 伯楽星 純米吟醸 雄町
宮城県大崎市の新澤醸造店がつくった純米吟醸酒です。
新澤醸造店は公式ホームページは無いようです。
パインのような香りが特徴の日本酒なんだそうです。
秋田県
日の丸醸造㈱ 純米大吟醸生詰原酒 まんさくの花 雄町酒
秋田県の有名銘柄である「まんさくの花」
その「まんさくの花」の雄町でつくられた純米大吟醸酒の生原酒です。
生酒とは火入れ(加熱殺菌)を行っていないお酒のことで、原酒とは割り水(加水調整)を行っていないお酒のこと。
特約店限定品でインターネット販売が行われていないお酒なんだそうです。
山形県
寿虎屋酒造㈱ 霞城寿 大吟醸 雄町
寿虎屋酒造㈱は山形市にある、300年以上の歴史がある酒蔵です。
「霞城寿 大吟醸 雄町」は精米歩合48%まで磨いた雄町でつくられた大吟醸酒です。
参考:商品情報 寿虎屋酒造㈱
東北銘醸㈱ 初孫 巧実 純米大吟醸酒
山形県酒田市にある東北銘醸㈱の、全量生酛造りが特徴である「初孫」の純米吟醸酒です。
参考:東北銘醸株式会社
巧実(たくみ)というのは限定品なんだそうでホームページの商品ラインナップにはありません。
精米歩合50%まで磨いた雄町米と、オリジナルの「初孫酵母」でつくられているのが特徴の生酛純米吟醸酒です。
麓井酒造㈱ フモトヰ 純吟雄町
酒田市の麓井酒造㈱(ふもといしゅぞう)がつくった純米吟醸酒です。
公式のホームページは無いようです。
精米歩合50%まで磨いた雄町米と山形酵母を使用した純米吟醸酒です。
福島県
髙橋庄作酒造店 会津娘 純米吟醸酒
会津若松市の「会津娘」という日本酒で有名な高橋庄作酒造店がつくった純米吟醸酒です。
精米歩合50%まで磨いた雄町米を使った純米吟醸酒なんだそうです。
茨城県
青木酒造㈱ 御慶事 純米吟醸 雄町
古河市にある青木酒造㈱がつくった純米吟醸酒です。
雄町米と自社オリジナルの酵母を使ってつくられた、穏やかな香りと果実のようなジューシーな香りが特徴の純米吟醸酒なんだそうです。
2020年の6月から、日本航空国際線ビジネスクラスで提供される予定になっている日本酒です。
森島酒造㈱ 大観 雄町 純米吟醸
日立市にある森島酒造㈱がつくった純米吟醸酒です。
茨城県出身の日本画家である、横山大観氏がこの酒蔵の酒のファンであることから、「大観」というお酒が誕生したそうです。
精米歩合50%まで磨いた岡山県産の雄町を使用した純米吟醸酒です。
参考:森島酒造株式会社
結城酒造㈱ 結ゆい 純米大吟醸
結城市にある結城酒造㈱がつくった純米大吟醸酒です。
精米歩合50%まで磨いた岡山県産の備前雄町と鬼怒川系伏流水を使用して造られた純米大吟醸酒です。
柔らかな口当たりとふくよかな味わいが特徴のお酒なんだそうです。
㈱武勇 純米吟醸 なごやか
結城市の㈱武勇がつくった純米吟醸酒です。
岡山県産の雄町を精米歩合60%(以下)まで磨いてつくられた香り豊かな純米吟醸酒なんだそうです。
参考:武勇 純米吟醸 なごやか
栃木県
㈱外池酒造店 望bo:純米大吟醸 雄町
益子市にある㈱外池酒造店(とのいけしゅぞうてん)がつくった純米大吟醸酒です。
マスカットを思わせるような綺麗で上品な甘みが特徴の純米大吟醸酒なんだそうです。
2018年の「ワイングラスで美味しい日本酒アワード」金賞、「SAKE COMPETITION」銀賞も獲得しています。
㈱虎屋本店 七水 純米吟醸 55 雄町
宇都宮市にある㈱虎屋本店がつくった純米吟醸酒です。
2019年に、「SAKE COMPETITION 2019 ゴールドメダル 第4位」「Kura Master 2019 金賞、「インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)シルバーメダル」を獲得した日本酒です。
期間限定品とのことですので、気になる方はお早めに!
群馬県
龍神酒造㈱ 龍神 純米大吟醸 雄町
館林市にある龍神酒造㈱がつくった純米大吟醸酒です。「尾瀬の雪どけ」という銘柄も有名なんだそうです。
参考:龍神酒造株式会社
岡山県産雄町を50%まで磨いてつくられた純米吟醸酒です。
ネット上に情報が少ない酒蔵と日本酒です。
㈱町田酒造店 町田酒造55 純米吟醸 雄町
前橋市の町田酒造店がつくった純米吟醸酒です
参考:町田酒造店
精米歩合50%まで磨いた岡山県産の雄町を使った純米吟醸酒です。
数量限定のお酒で手に入りづらくなっているようです。
山梨県
笹一酒造㈱ 旦 山廃純大備前雄町
大月市にある笹一酒造㈱がつくった純米吟醸酒です。旦(だん)という銘柄のお酒です。
「KURA MASTER 2019 金賞」「インターナショナル・ワイン・チャレンジ2019 銀メダル」も獲得しています。
精米歩合55%に磨いた岡山県産「備前雄町」を使った純米吟醸酒です。
参考:笹一酒造
静岡県
富士錦酒造㈱ 富士錦 純米大吟醸 雄町
富士宮市にある富士錦酒造㈱がつくった純米大吟醸酒です。
精米歩合45%まで磨いた雄町と、富士山の湧水でつくられたお酒になっています。
限定品のため、数が少なく手に入りづらいようです。
参考:富士錦酒造
㈱神沢川酒造場 正雪 純米大吟醸 備前雄町
静岡市にある㈱神沢川酒造場がつくった純米大吟醸酒です。
精米歩合歩合45%まで磨いてつくられた、雄町特有の味とコクとフルーティーな香りのバランスが取れた日本酒に仕上がっているそうです。
㈱土井酒造場 開運 純米吟醸 雄町
掛川市にある㈱土井酒造場が、純米吟醸酒「開運」の雄町米でつくった日本酒です。
精米歩合50%の赤磐雄町と静岡酵母でつくられた純米吟醸酒になっています。
岐阜県
㈲渡辺酒造店 蓬莱 赤磐セブン 家宝伝承酒
飛騨市にある(有)渡辺酒造店が造っている純米大吟醸酒です。
赤磐雄町(精米歩合55%)と7号酵母を使ってつくることから、赤磐セブンという名前が付けられたそう。
公式のホームページがかなり気合が入っているので、気になる方はぜひご覧になってください。
和歌山県
㈱九重雑賀 雄町 純米吟醸 雑賀
紀の川市にある九重雑賀(ここのえさいが)がつくった純米吟醸酒です。
精米歩合55%まで磨いた雄町でつくられた華やかな香りとふくよかな味わいとキレがある純米吟醸酒に仕上がっているそうです。
常温や冷やすのはもちろん、お燗でも美味しいとのこと。
参考:九重雑賀 公式オンラインショップ 雄町 純米吟醸 雑賀
広島県
相原酒造㈱ 純米大吟醸 雨後の月
呉市にある相原酒造がつくった純米大吟醸酒です。雨後の月(うごのつき)というきれいな名前が付けられています。
岡山県産赤磐雄町を精米歩合40%まで磨いて造った贅沢な仕上がりの純米吟醸酒に仕上がっています。
冷蔵庫で冷やして飲むのがおすすめなんだそうです。
香川県
川鶴酒造㈱ 川鶴 純米吟醸 雄町
観音寺市にある川鶴酒造がつくった純米吟醸酒です。
精米歩合58%の雄町米を使用してつくられた純米吟醸酒です。
お米の濃い味が特徴のお酒なんだそう。個人的に気になっているお酒です。
参考:川鶴酒造 株式会社
愛媛県
石鎚酒造㈱ 石鎚 純米吟醸 雄町50
西条市にある石槌酒造㈱がつくった純米吟醸酒です。
精米歩合50%まで磨いてつくられた食中手に最適な奥深い旨味と酸味が調和したお酒に仕上がっているそうです。
参考:石槌酒造
佐賀県
富久千代酒造㈲ 鍋島 純米吟醸 雄町
鹿島市にある富久千代酒造(有)がつくった純米吟醸酒です。
精米歩合50%まで磨いた雄町でつくられた純米吟醸酒に仕上がっています。
佐賀県はあまり日本酒のイメージが無いかもしれませんが、富久千代酒造はインターナショナルワイン・チャレンジや全国新酒鑑評会で何度も賞を取っていて、「鍋島 純米吟醸 雄町」も雄町サミットの優等賞は7回目の受賞になる銘酒です。
石川県
㈱車多酒造 天狗舞 純米大吟醸
石川県を代表する㈱車多酒造の「天狗舞」の純米吟醸酒です。
天狗舞は私が個人的に大好きな日本酒の1つですが、その純米吟醸酒が受賞しています。
上質な雄町が入荷した年のみ造られる特別限定品なんだそうです。
少量生産のため、すぐに無くなることが予想されますね。
まとめ
以上、雄町でつくられた日本酒(純米吟醸酒)の紹介でした。
雄町のほとんどは岡山県でつくられていますが、雄町を使った日本酒はいろんなところで造られています。
日本酒に興味を持ったら、ぜひ1度は雄町の日本酒を飲んでみてほしいと思います。
150年もの間、農家の人を始めとしたさまざまな人に雄町が守られてきた理由がわかると思います。