お米の自然な甘さが美味しい「甘酒」。神社で飲む機会があったり、 夏は冷やし甘酒にして飲むのも美味しいですよね。
甘酒は美味しいだけでなく「飲む点滴」と言われるくらい栄養満点であることも知られていて、健康や美容に良いことでも注目されています。
甘酒は「お酒」じゃない?
甘酒の原料は日本酒と同じ「米」と「米麹」と「水」ですが、アルコール分は1%未満とわずかな量しか入っていません。
酒税法という法律で「お酒(酒類)」に分類されるのはアルコール分が1%以上の飲み物と決められているので、甘酒は「酒」という文字を使ってはいますが、実はお酒ではないんです。
甘酒はソフトドリンク(アルコール分1%以下の飲料=清涼飲料水)に分類されている飲み物なんです。お酒が飲めない人や子供でも飲める飲み物なんですね。
甘酒には2種類ある
甘酒には実は2種類あるのを知っていますか?
「甘酒」と表示されている飲料には2つの作り方があるんです。
米麹から造られた甘酒
1つ目は、お米と麹を混ぜたものを50℃〜60℃の温度で保温しつつ一晩置くことで、麹に含まれる麹菌(黄麹菌:コウジカビ)の力でお米のでんぷんを糖分(ブドウ糖)に変化させることで造られた甘酒です。
基本的にはノンアルコールの甘酒になります。
お米のでんぷんが分解されたブドウ糖の自然の甘さがあり、砂糖を入れなくても甘いのが特徴です。(商品によっては砂糖を入れているものもありますので、原材料の確認が重要です。)
酒粕から造られている甘酒
もう1つは、醪(もろみ)から日本酒を搾った後の「酒粕」から造られている甘酒です。
お湯に酒粕を溶いたものに砂糖などの糖分を加えることで造られます。
酒粕には通常8%ほどのアルコール分が含まれているため、出来上がった甘酒も当然アルコール分が含まれることになります。
甘酒にはどんな栄養があるの?
甘酒の栄養については、甘酒の老舗である森永さんのホームページが詳しいです。
参考:森永 甘酒トップページ
甘酒に含まれているブドウ糖は、お米のでんぷんに比べて吸収が良いのが特徴です。
その他にも、ビタミンB群、オリゴ糖、食物繊維、アミノ酸などが含まれていて、それらの栄養素が栄養剤として点滴されるものとほぼ同じであることから、甘酒は「飲む点滴」とも呼ばれています。
疲労回復に効果的
ブドウ糖には、疲労回復をサポートしてくれる効果が期待できます。(栄養剤の点滴の主な目的はブドウ糖による栄養補給だそうです。)
また、米麹の甘酒には、ブドウ糖をエネルギーに変換する作用があるビタミンが含まれていたり、麹菌の酵素は消化・吸収を助ける効果があり、疲労回復を助けてくれる栄養素です。
昔、江戸時代には夏バテ予防で甘酒を飲む風習があったそうですが、体験的にこれらの効果があることが知られていたのかもしれませんね。
美肌&美白効果(麹甘酒)
米麹甘酒の原料である米麹には、コウジ酸という成分が多く含まれています。
このコウジ酸には抗酸化作用があり、シミ、そばかす、肌のくすみを予防する作用があるため、美肌効果があるとされていますす。
米麹甘酒に含まれているビタミンB群は肌を健康に保つ効果があり、美肌効果も期待できます。
便秘解消にも効果あり
米麹甘酒にはオリゴ糖が含まれています。これらの栄養素は腸内の善玉菌を増やす働きがあるため、お通じを良くし便秘が解消への効果も期待できます。腸内の環境改善は美肌効果や花粉症などのアレルギー症状の緩和の効果があるとも言われています。
酒粕甘酒には食物繊維が多く含まれており、こちらも便秘解消には効果が期待できます。
甘酒商品の紹介
一番有名なのは、森永製菓㈱の甘酒です。
森永製菓 甘酒 商品紹介
缶入り飲料や粉末タイプ、米麹のみのタイプや米麹と甘酒の混合タイプなど様々なラインアップがあります。
缶入りの物は自動販売機で販売されていることもありますし、日常的に飲むのであれば粉末タイプがお得です。いろいろ選べるのが良いですね。
八海山 麹だけでつくったあまさけ
こちらは八海山で有名な八海酒造が販売している甘酒です。砂糖を入れていない自然な甘さとカロリーが低めなのが魅力ですね。
フルーツを入れたり、炭酸水、ココア、コーヒーなどと割って飲むのも美味しいそうです。
日常的に飲むのであれば、Amazonでまとめ買いするのが一番お得です。
まとめ
以上、甘酒のお話しでした。
日本酒の原料である麹や、日本酒を搾った後の酒粕にこんなに栄養があることに驚きますね。
日本には麹の力による発酵食品は、お酒のほかにも味噌や鰹節など様々なものがあります。発酵食品のパワーを、毎日の健康に生かしていきたいと思いました。