酒造好適米(酒米)

【雄町】岡山原産の酒造好適米「雄町」とは?

先日、「作 雅乃智(ざく みやびのとも)」というお酒を飲む機会がありました。

「作(ざく)」という特徴的なネーミングから、1978年に放映された有名なテレビアニメ「機動戦士ガンダム」のファンから注目されていることでも有名です。

やや甘口でフルーティーな美味しいお酒でしたが、お米の味もしっかりしている美味しい日本酒でした。

そして気になるのが、「岡山 雄町」という大きなラベルです。(写真では切れてしまっています・・)

 

雄町というのは、日本酒を造るお米(酒造好適米)の銘柄なんです。

ここでは雄町というお米についてお話しします。

 

幻の酒米 「雄町」とは?

雄町は日本酒の醸造に使用されるお米(酒造好適米)の銘柄です。

岡山県原産のお米で、現在でも9割は岡山県で造られています。

現在、日本4位の生産量を誇る銘柄となっています。

一部に雄町のマニアの集まりがあるなど、熱狂的なファンを持つ銘柄です。雄町の日本酒のファンのことは「オマチスト」と呼ばれているそうです。 

 

日本の酒米の親

雄町は現在日本一の酒造好適米である山田錦や、2位の五百万石の親というか元になった品種でもあります。

現在日本で造られている酒造好適米の3分の2は雄町の子孫なんだそう。

現在の日本酒業界を支えていると言っても過言ではないすごいお米なんです。

 

1866年に岡山県高島村雄町に住んでいた岸本甚造氏という人が偶然発見した稲穂から改良して誕生しました。

その後100年以上栽培され続けている歴史のある品種です。

 

生産量は山田錦の10分の1以下ですが、日本酒のファンの間では山田錦と人気を2分するとまで言われているお米です。

 

なぜ「幻の酒米」なのか

なぜそんなに人気がある雄町ですが、生産量が少なく「幻の酒米」といわれています。

その理由は、雄町がものすごく栽培が難しいという特徴があるからです。

 

・背が高くて倒れやすく悪天候の影響を受けやすい

・病気や害虫に弱い

・粒が大きいけれど心白(お米の中心のでんぷんが多い部分)にムラが出やすく収穫量が少なくなりやすい

・収穫後の乾燥に時間をかけないとひび割れが起こりやすい

・水を吸いやすいため、洗米も手間がかかる

などの特徴があり、栽培も収穫後の取り扱いもとてつもなく難しいのが雄町というお米なんです。

 

岡山県は雨が少ない土地なのも、雄町の栽培に適している理由なのかもしれませんね。

2011年と少し前のデータですが、降水量1mm未満の日数が全国一少なく、降水量の少なさが全国3位なんだそうです。

参考:岡山県 「晴れの国おかやま」がが引き続き統計的に裏付けられました

 

雄町が復活した理由

現在最高級と言われているのが岡山県赤磐市の雄町です。 

この、「赤磐産雄町」を広めたのが、利守忠義さんという人です。

利守酒造(としもりしゅぞう)という酒蔵の社長だったのですが、雄町の復活に力を注がれました。

昭和48年には3ヘクタールまで減ってしまっていた雄町を復活させました。

 

現在も蔵元が自ら米作りを行っています。

参考:東京農業大学校友会 校友(利守忠義氏 S41短醸)が新聞記事で紹介されました

 

雄町サミットとは

雄町が人気になったことにより、雄町の実を使用した日本酒のコンペである雄町サミットというイベントが開かれるようになりました。

今年で11回目の開催なんだそうです。

参考:JA全農おかやま 第11回雄町サミット開催

東京で開催され、なんとチケットぴあでチケットを購入できたみたいです。

 

今年(2019年)は7月30日に開催されました。

吟醸酒の部

純米酒(精米歩合60%以下)の部

純米酒(精米歩合60%以上)の部

という3つの部門で受賞酒が選出されます。

 

雄町のファン「オマチスト」にとって注目のイベントとなっています。

雄町の人気の高さが伺えますね。

 

まとめ

以上、酒造好適米「雄町」のお話しでした。

日本酒ファンならだれでも知っているお話しかもしれませんが、もし日本酒に興味があってこれから知りたいのであれば、雄町というお米から日本酒を選んでみるのも面白いかもしれません。

作(ざく)がとてもおいしかったので、雄町のお酒を探してみようと思っています。

 

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