日本酒のきほん

日本酒の歴史 「口噛みの酒」や「やしおりの酒」についても解説

日本酒は日本の文化に深く根ざした長い歴史を持っているお酒ですが、一体いつから作られていてどのような歴史があるのでしょうか。

今回は、歴史の中の日本酒についてお話しします。

 

日本酒の起源と歴史

日本酒はお米から作られるお酒ですが、それはいつ頃から日本で作られているかということについては、実ははっきりとわかっていません。

お米を使ってお酒造りが行われていることがはっきりと記録として残っているのは8世紀のことです。

口噛みの酒(くちかみのさけ)

米を噛んで吐き出し唾液に含まれるアミラーゼという酵素の発酵作用を利用して作られたお酒である口噛みの酒(くちかみのさけ)の酒が、「大隅国風土記」という記録に残されています。

口噛みの酒は、お米(など)のでんぷん質の原料を噛んでヒョウタンなどの容器に詰め、唾液中のアミラーゼで糖に分解させ、その糖を自然界に存在する酵母がアルコール発酵するのを待つ、という手順で造られています。

2016年に大ヒットした新海誠監督によるアニメ映画「君の名は」でも口噛みの酒が登場して話題になりました。

「君の名は」は、なんとハリウッドでリメイクされることが決まりました。

参考:ハリウッド版「君の名は。」の監督に決定!マーク・ウェブってどんな人?魅力がわかる映画3選!

https://www.excite.co.jp/news/article/EigaBoard_1302/

いろんな意味で日本的なこの映画が、アメリカでリメイクされるというのは正直驚きました。

日本伝統の口噛みの酒のシーンがどのように再現されるのかが気になりますね。

播磨国風土記」の酒

また、雨に濡れた干したお米に、カビが生えたことをきっかけに、そこからお酒ができて飲んだという記述が、「播磨国風土記」(はりまのくにふどき)に書かれています。

日本酒の発酵に用いられる麹菌もカビの一種ですので、麹菌かそれに近い種類のカビが偶然お米に繁殖したけっか、お酒になったのだと思います。

参考

風土記とは、地方の歴史や文化、出来事などを記した書物のことです。

米と米麹で造られた日本酒の起源

はっきりとした記録があるわけではありませんが、現在の日本酒に近い米と米麹と水を利用したお酒造りは、稲作の伝来とともに大陸から日本に入ってきたと推測されています。もしそうなら、2000年近く前に入ってきたものということになります。

寺院で造られる「僧坊酒」(そうぼうしゅ)が質が高いお酒として認められて、寺社の財源になったという記録があるそうです。

僧坊酒は平安時代から江戸時代にかけて長く造られていました。

平安時代初期まで日本酒は朝廷の中で造られていました。

参考

朝廷とは天皇を中心とした政治体制のことです

意外に思われるかもしれませんが西暦800年代の平安時代まで、日本酒はその当時の政府が作っていたものだったのです。

それ以降、少しづつ民間へ日本酒造りの技術が移行することになったのですが、その中心となったのが日本各地の寺院でした。

お酒が現金のはずの仏教の僧侶がお酒を造る、というのはイメージが合わない感じもしますが、僧侶の間で日本酒は「般若湯」と呼ばれていて、お酒造りも飲酒も公然と行われていたそうです。

 

いわゆる造り酒屋と呼ばれる現在の酒蔵の近い形でのお酒造りは、鎌倉時代(12世紀)以降に広まりました。

そして、現在に近い透明な「清酒」に近いお酒が産業として広まるのが江戸時代以降のことです。

 

伝説の中の「日本酒」

お米によって作られた日本酒なのかどうかはわかりませんが、伝説の中にもお酒の記述があります。

「古事記」や「日本書紀」の中に登場する「やしおりの酒(八塩折之酒)」がそのお酒です。伝説の中では、これが日本で最初に作られたお酒ということになっているそうです。

その中に登場する、スサノオノミコトとヤマタノオロチの伝説にやしおりの酒が登場します。

やしおりの酒の伝説

日本神話の神の一人であるスサノオノミコトが、クシナダヒメがヤマタノオロチのいけにえとして捧げられそうになって困っている、クシナダヒメの両親に出会いました。ヤマタノオロチは8つの頭と8本の尾を持った巨大な怪物です。

スサノオノミコトは、美しいクシナダヒメを嫁にもらうことを条件にヤマタノオロチの退治を引き受けます。

スサノオノミコトはどうやってヤマタノオロチを倒そうかと考えた結果、8つの強いお酒を入れた桶を用意して、ヤマタノオロチが酒を飲んで酔っ払って眠ったところを切り刻んだ退治した、というのがヤマタノオロチとやしおりの酒の伝説です。

2016年公開の「シン・ゴジラ」「ヤシオリ作戦」という、ゴジラに対抗するための作戦が登場しますが、作戦名の由来はこの「やしおりの酒」の伝説にあります。(映画をみていない人に向けてネタバレはしません笑)

 

やしおりの酒は、1度お酒を造った後にそのお酒に原料を入れてお酒を造り・・という工程を何度も繰り返して造られたお酒です。スサノヲノミコトの伝説では7回この工程を繰り返した強いお酒が造られた、とされています。

原料はお米ではなくて木の実だったとも言われていて、原料や製法にはわからない点も多いそうですが、この製法を使ってお酒を造っている酒蔵もあります。(作り方を見ればわかりますが、使用される原料に比べて出来上がるお酒の量はかなり少ないので、全体的に高価なお酒です。)

 

まとめ

以上、日本酒の歴史について簡単にまとめてみました。

日本酒造りが長い歴史と伝統によって育まれてきたものだということが、少しでもわかってもらえたらうれしいです。

 

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