令和の時代が始まって初めての新嘗祭「大嘗祭」の詳細が明らかになってきました。
お酒をテーマにした当サイトとして気になるのは、そこでお供えされる「白酒(しろき)」「黒酒(くろき)」と呼ばれるお酒です。
新嘗祭と大嘗祭にお供えされる特別なお酒である、白酒と黒酒についてお話します。
大嘗祭とは
大嘗祭は、天皇陛下が即位して行われる初めての新嘗祭です。
新嘗祭とは、毎年11月に行われ天皇陛下が秋の収穫に感謝し国民の安寧や農作物の豊作を祈る儀式のことです。
2019年の5月に、新たに即位した天皇陛下が即位されましたので、2019年に初めて行われる新嘗祭が令和の大嘗祭となります。
大嘗祭の日程
令和の大嘗祭は11月14日~15日にお紺われることが決定しました。
元号はすでに平成から令和に移り変わっていますが、この大嘗祭が終了することで正式に天皇が代替わりを完了したということになるそうです。
宮中祭祀ですので、一般人が参加することはできませんが、とても重要な式典であることがわかると思います。
斎田(さいでん)点定の儀
大嘗祭の時にお供えされるお米を斎田(さいでん)といいます。
大嘗祭の時に神様にお供えする初穂をどこのお米にするかということを決めるのが、斎田(さいでん)点定の儀です、亀卜(きぼく)という占いによって決めます。
亀卜(きぼく)とは、亀の甲羅を火であぶったのちに水をかけて生じたヒビの形で占う方法なんだそう。
亀卜によって、関東と関西から1つの都道府県のお米が選ばれます。
関東地方を「悠紀(ゆき)」地方、関西地方を「主基(すき)」地方と呼ばれています。
2019年の5月に斎田が決定し栃木と京都のお米が選ばれることになりました。
斎田抜穂(ぬきほ)の儀
斎田点定の儀で決定した都道府県のお米を収穫する儀式が、斎田抜穂の儀です。
2019年9月27日に行われ、実った稲穂を抜き取る儀式が行われました。
斎田の近くにしめ縄を張った斎場(儀式を行う場所)を作り、抜穂使(ぬきほし)と呼ばれる人がテントを張ってつくられた神殿の中で、収穫への感謝が書かれた祝詞を読み上げるそうです。
庭積机代物(にわづみのつくえしろもの)の奉納
お米の他にも、いろいろな農産物、海産物がお供えされます。
これらは全国の都道府県から選ばれた物がお供えされることになるそうです。
お米以外のお供え物を庭積机代物(にわづみのつくえしろもの)と呼ばれています。
黒酒、白酒とは
新嘗祭、大嘗祭でお供えされるお酒が「白酒(しろき)」と「黒酒(くろき)」です。
白酒は醪(もろみ)を発行させた原酒を荒くこしてつくった、白く濁ったお酒です。現在でいうところのどぶろくや、お粥のような感じのお酒だったそうです。
黒酒は白酒をさらに久佐木灰(くさぎばい)を加えることでつくられる黒いお酒です。(久佐木は葉が独特のにおいがする臭い木ということで名づけられた木なんだそうです。)
延喜式という平安時代の格式を記された書物によると、白酒と黒酒は儀式が行われる斎場でつくられることになっていますが、現在はつくられたお酒が持ち込まれて儀式に使用されることになるそうです。
令和の大嘗祭でどのようなお酒がお供えされるのかを調べてみましたが、詳細はわかりませんでした。
判明次第ご紹介したいと思います。
白酒、黒酒を購入する方法
白酒は滋賀県の藤居本家という酒蔵がつくって皇室に献上されているとホームページに案内があります。
こちらのページには、藤居本家と加島屋がつくっているという記述があります。
吉田 元著『酒,ものと人間の文化史』という本に記述があるそうです。
参考:http://www.fujiihonke.jp/gaiyou.html
参考:http://www.foocom.net/column/ise/15840/
しかし、残念ながら販売用に販売されているわけではないようです。
それでは私たち一般人が白酒、黒酒を飲むことはできないのか?
と思って探してみたら、ありました。
それが、吉乃友酒造有限会社がつくっている「白酒」と「黒酒」です。
参考:https://www.taff.or.jp/saposen/pdfgenkoukiji/kiraraka2015.9.25.pdf
予約限定(春限定?)でつくられているお酒なんだそうです。
インターネットで検索するといくつか情報が出てきますが、現在(2019年10月2日時点)ネットでの購入はできなさそう。
もっと早く知りたかった・・
そこで、インターネットで購入できるものがないかなと思ってを探してみたら、こちらの商品を見つけました。
いずれも、楽天での購入がおすすめです。
伊勢神宮の新嘗祭に奉納される白酒と同じように醸造した発泡にごり酒なんだそうです。
人気テレビ番組だった「SMAP×SMAP」や、「dancyu」という有名な雑誌でも取り上げられたことで大ヒットしたお酒なんだそうです。
こちらは淡路島の酒蔵がつくった黒酒です。
紫黒米とよばれる古い種類のお米を使用してつくられ現代に復活した黒酒として販売されています。
11月の大嘗祭、新嘗祭に合わせて試してみるのも楽しいかもしれませんね。
まとめ
以上、白酒(しろき)と、黒酒(くろき)のお話でした。
日本には、稲作文化とともにお米でお酒をつくる文化がありました。
そして、お酒は神様へのお供え物としても日本の文化に根強く残っているものなんですね。
令和の大嘗祭も近いので、ぜひお米で作られたお酒にも注目が集まるといいなと思っています。