最近、海外でもブームになっている日本酒。
近年、外国への輸出額が増えてきていて、和食が「ユネスコ世界文化遺産」に登録されたことをきっかけとした「和食ブーム」とともに、海外でも日本酒の魅力が広がっています。
私は実際に酒蔵に訪問してから、日本酒に強い興味を持つようになりました。日本酒の飲み比べをさせてもらったのですが、純米吟醸、純米吟醸酒のおいしさに驚きました。
独特の風味があって飲みにくいイメージだったのですが、高級酒はそんなことは全くなく飲みやすく風味豊かで美味しかったです。
最近は、「若者の酒離れ」が進んでいるとも言われていますが、安いお酒を大量に飲むような文化ではなく、お酒の良い所をきちんと知って良いお酒を楽しむ文化が育って欲しいと願って、このサイトを立ち上げました。
このページではまず最初に、日本酒とは何かということについて書いてみます。
日本酒は何から作られている?
日本酒は、お米と水と米麹の3つの材料で作られています。
日本酒は酒税法という法律では「米、米麹と水とを原料として発酵させて、こしたもの」である 「清酒」のことを言います。
米麹とは、蒸した米に麹菌(コウジカビ)と呼ばれる菌類を繁殖させて作った麹のことです。
参考
麹菌(コウジカビ)は「食べられるカビ」です
麹菌は日本の風土で育つ穀物と相性が良く、お米や麦や大豆など、日本の田畑で育つ穀物にくっついて発酵します。もともと稲のなかに住んでいるカビなのだそうです。
カビと聞くとイヤな印象を持ってしまうかもしれませんが、コウジカビは毒を出さないカビです。
コウジカビは多くの酵素を生み出しつつ澱粉やたんぱく質を分解するため、古くから清酒や醤油の醸造などに利用されてきました。
清酒、醤油に他にも、味噌、みりん、酢焼酎・・麹菌による発酵技術は日本の味を支えるバイオ技術です。
引用元:黄麴菌Aspergillus oryzaeのアフラトキシン生合成系遺伝子は機能しない
アフラトキシン生合成遺伝子ホモログクラスタの解析
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kagakutoseibutsu/50/8/50_560/_pdf/-char/ja
日本酒は「清酒」
日本酒は、通常は米と麹と水を主な原料とする清酒(せいしゅ)のことを指します。
お米を発酵させた醪(もろみ)を固体(酒粕)と液体分(原酒)に分離する工程を経なければ、「清酒」という名前を付けることはできません。
ちなみに、酒粕と原酒に分離することをせず白く濁ったままの状態のお酒は「どぶろく」と呼ばれます。
日本酒は「醸造酒」
日本酒は醸造酒と呼ばれるお酒です。
醸造酒とは、穀物や果実を酵母の力でアルコール発酵させたお酒のことです 。
酵母とは 、糖分を分解して アルコールと二酸化炭素に分解する性質がある菌類のことです。
日本酒の他に ビールやワインなどが醸造酒になります。
ちなみに、ワインの場合は原料のぶどうに糖が含まれていますが、日本酒の原料である米には糖分が含まれていません。
そこで、 米に含まれているデンプンを糖化させてからアルコール発酵させるという、複雑な工程で作られることになります。
ちなみに「蒸留酒」とは
蒸留酒とは醸造酒を"蒸留"させたお酒のことです。
参考
"蒸留"とは、液体を一度蒸発させた後、その気体を冷やして再び液体に戻す、という工程のことです。
醸造酒には水とアルコールが混ざっているので、温度を上げていくと、蒸発する温度の低いアルコールが先に蒸発します。つまり、醸造酒を蒸留することで、アルコール純度がさらに高いお酒になります 。
ちなみに、日本で作られてる蒸留酒には、焼酎や沖縄の泡盛があります。
日本酒の原料が米のみであるのに対して、焼酎の原料は、芋や麦など様々なものがあるのが特徴です 。
蒸留酒は他に、ウイスキー、ワイン、ブランデー、 ウオッカ、ラム、ジン、テキーラといったお酒があります。
「混成酒」というカテゴリーもある
混成酒とは、醸造酒や蒸留酒に果実や香料、糖分や食品添加物などを加えたお酒のことです。
梅酒、リキュール、料理酒なども混成酒になります。
日本酒でもカップ酒のような安価なお酒は、混成酒のカテゴリーになります
実は、日本酒として日本で売られているお酒の7割ぐらいはいわゆる「カップ酒」と呼ばれるよう混成酒です。
日本酒の特徴
日本酒の特徴について2つ挙げてみたいと思います。
温めても冷やしても美味しい
日本酒は温めても冷やしても美味しいという世界的に見ても珍しい特徴があります。
おおよそ、5度から60度までという幅広い温度で楽しむことができます。
熱燗という日本酒を温める飲み方によって、香りを引き立て風味を引き出したり、また冷やすことで、切れの良いシャープな味わいを楽しむことができます。
飲む時の温度を変えることで色々な楽しみ方ができるというのか日本酒の特徴です。
どんな料理にも合う
日本酒はどんな料理にも合う「食中酒」であるという特徴があります。
香の強弱、甘口辛口などといった様々な特徴を持った日本酒がありますので、食事にあったお酒を選ぶ楽しみもあります。
一般的には魚料理を中心にした日本料理のイメージが強いかもしれませんが、イタリア料理やフランス料理にも日本酒は合うそうです。
引用元:イタリアンにもフレンチにも日本酒は合う--中田英寿がイベント「CRAFT SAKE WEEK」で伝えたいこと
https://retty.news/24279/
特に純米酒は食中酒としておすすめです。
日本では特にご飯(白飯)が食卓に並ぶことが多いと思いますが、米、米麹、水だけで造られた純米酒は、必然的に相性も良いわけですね。その中でも、お寿司と純米酒の組み合わせは本当に最高です。
洋食との組み合わせも、機会があれば試してみたいですね!
まとめ
日本酒とは何か?ということと
日本酒の特徴ということについて、簡単にまとめてみました。
混成酒というカテゴリの安いカップ酒の出荷量が年々減ってきているために、日本酒全体での売上高は減っているように見えています。
しかし、純米吟醸、純米大吟醸などの高級酒は海外だけでなく日本国内でも大きくなってきて「日本酒ブーム」と呼ばれることも増えてきました。
私も、もっと日本酒のことを知って楽しめるように、いろいろと勉強していきたいと思います。