日本酒のきほん

【「冷や」と「冷酒」の違い】日本酒の温度と味わいの関係を知ろう!

冷酒と冷やの違い

「冷酒」と「冷や」は実は意味が違うっていうことを知っていますか?

「冷酒」は文字通り冷たく冷やした日本酒のことです。居酒屋などで冷酒を注文すると、冷蔵庫で冷やした日本酒をそのまま注いだものが出てきます。

しかし「冷や」は、「冷」という文字で書きますが、実は冷やした日本酒ではないんです。

「冷や」はもともと常温の日本酒のことだった

「冷や」は、もともと常温のお酒のことた。

昔は冷蔵庫がありませんでした。冷蔵庫が登場する以前の日本では、日本酒を冷たく冷やして飲むという習慣がありませんでした。

もともと日本酒は温めて飲むのが基本で、お酒といえば、温めて飲む「燗酒」が中心だったんです。

「冷や」という呼び名は、温めた「燗酒」と、常温の「冷酒」の2種類しかなかった名残なんですね。

しかし、ここ数十年の間に家庭用の冷蔵庫が登場して、家庭でお酒を冷やすのが簡単になり、また冷やして飲んで美味しい吟醸酒が広く普及したことで、日本酒の飲み方は多様になりました。

昔は居酒屋で「冷や」と注文すると常温で出してくれるのが当たり前だったそうです。しかし今は冷蔵庫から出したばかりのよく冷えたお酒が出てくることが増えてきました。

喫茶店で「お冷」を頼むと冷たい水が出てくるので、居酒屋のバイトの人にお冷と言うと冷たい日本酒が出てくるのはしょうがないことかもしれません。

冷やした日本酒をを飲みたい時は冷たい冷酒、ひやを飲みたい時は常温でと具体的に伝えた方が分かりやすいかもしれませんね。

「貧乏人の冷や酒」の意味

昔は貧乏人の冷や酒という言葉がありました。

日本酒は温めて飲むのが当たり前だった時代、日本酒は温めることで甘みが増え、柔らかい味わいになりました。

またアルコールは体温に近い温度で吸収されるため、冷酒だと良いを感じるまでに時間がかかります。冷たいアルコールを飲んだ場合、体温で温まってから初めて吸収されるためです。

そのため燗酒は吸収が早く、酔いすぎることが少ないという利点もありました。

冷たいお酒を楽しむ、という文化が出来たのはごく最近のことなんだったんですね。

 

冷酒の温度と「表現」

日本酒を冷やした「冷酒」には5℃ごとに表現が変わります。

雪冷え(ゆきひえ):5℃

家庭用の冷蔵庫でしっかり冷やした温度です。

香りが感じ方が小さくなり、味わいも閉じて硬くなることが多いそうです。

温度の目安と呼び方をご紹介します。

花冷え(はなひえ):10℃

冷蔵庫で数時間冷やした頃で、便に触るとすぐに冷たさを感じるくらいの温度です。

香りはやや小さくなり、まとまりが出てきてきめ細やかな味わいになることが多いそうです。

涼冷え(すずひえ):15℃

冷蔵庫から出してしばらく経った頃の温度です。華やかな香りが立ち上がりとろみのある味わいになりやすいそうです。

常温(いわゆる、冷や酒):20℃〜25℃

柔らかい香りで味わいもソフトな印象になることが多いそうです。

 

日本酒の温度と味わいの関係

日本酒は温度でデリケートに変化します、5℃違うだけでも全く違う印象の味わいになります 。

例えば、甘みは低温ではあまり感じません。体温の温度で最も強くなります。

塩味は温度が下がれば強く、上がれば感じにくくなります。

苦味も温度が上がると感じにくくなり、渋みもまた、温度が高くなると少なくなります。

酸味は温度が高くなるにつれて強く感じるようになります。(酸の種類によって感じ方は異なります)。

 

温度で香りも変わる

また香りも温度によって変わり、温度が高いほど香りが立ちやすくなります。

吟醸酒の吟醸香の成分は特に揮発性が高いので、熱燗にすると香りが立ちすぎてしまい飲みにくくなります。

吟醸酒は冷やすか常温のまま飲むのが美味いお酒が多いです。

これらは全て傾向があるということで、全部が全部そうだとは限りません。
吟醸酒の中でも香りが穏やかで人肌ぐらいに温めた方が美味しいと感じるものもあるそうです。

よく良いお酒をお燗にしてはもったいないと言われることがあるのは、このような背景があるんだと思います。

また発泡清酒など炭酸が入っている日本酒は温めると炭酸が抜けてしまうため、冷やして飲む方が美味しいでしょうね。

生酒もフレッシュ感や爽快感が魅力ですが、温めてしまうとそれが消えてしまいますので、冷やして飲んだ方が美味しいでしょう。

 

みぞれ酒という変わった飲み方もある

お店によっては、みぞれ酒というメニューがあります。

シャーベット状になった日本酒を、シャリシャリ感のある液体状になるまで溶けるのを待って飲む飲み方です。

日本酒はエチルアルコールと水が混合された液体なので、アルコール度数にもよりますが-7°から-10°でなければ凍りません。
-13°ぐらいの温度で冷やして振動を与えないように8時間ほどおくと、液体の状態のまま氷になる温度以下のお酒ができるそうです。

言葉で説明するよりも、動画を観ていただく方がわかりやすいので1つ紹介します。

白鶴酒造さんのYouTubeチャンネルです。

白鶴酒造公式チャンネル みぞれ酒

観ているだけでも楽しいですよね!

 

まとめ

以上、「冷や」と「冷酒」のお話しでした。

冷や(常温)や冷酒で飲むのに向いている日本酒は、吟醸酒、発砲清酒、生酒といった種類のお酒になります。

日本酒を冷やす、ということだけでも日本酒のいろいろな味わいを楽しむことができます。

日本酒を飲むときは、温度の変化もぜひ楽しんでくださいね!

 

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