酒造好適米(酒米)

【五百万石】新潟で生まれた酒米「五百万石」を紹介【生産量日本2位】

酒と米

五百万石とは?

「五百万石」は新潟県産の酒米(酒造好適米)です。

現在、山田錦についで日本で二番目の生産量を誇っている、酒米の代表の1つです。 

参考:酒米ハンドブック 改訂版 副島顕子 署 文一総合出版

五百万石は「菊水」と「新200号」と言うお米を掛け合わせて作られたお米の品種です

 

1957年に新潟県で奨励品種になりました。1960年には福井県でも奨励品種になったそうです。

奨励品種とは、各都道府県がその都道府県に普及すべきと決定した優良な農作物のことです。

日本酒づくりのためのお米を作り、新潟特有の軟水を活用することで、新潟県を日本酒の産地にするということを県をあげて行っていたということがわかります。

主につくられているのは、主な生産地は新潟県と、福井県、富山県、石川県の北陸地方ですが、東北の南部から九州北部に至るまで、広い地域で作ることができるのが特徴です。

五百万石は、2001年に山田錦がトップになるまで40年以上作付面積がトップだったお米で、2019年現在も3位の「美山錦(みやまにしき)」に大きく差をつけた2位となっています。

 

名前の由来

1957年に新潟県の米生産量が五百万石を突破したことを記念して、1944年に「交系290号」として誕生したお米が「五百万石」と命名されました

淡麗辛口ブームを支えたお米

1980年以降日本では地酒という言葉が登場し、 淡麗辛口の日本酒のブームが始まりました。

それまでの甘ったるい味のイメージだった日本酒に対して、キレのいい新潟のお酒が全国的に有名になったのです。

新潟県の軟水と共に、淡麗辛口の日本酒を作るのに使用されたのが、五百万石なんですね。

 

五百万石は、心白(しんぱく)と呼ばれるお米の中心部のでんぷん質が多い部分が大きく、50%以上の高い精白が難しいため、いわゆる高級酒には不向きですが、醪(もろみ)になっても溶けすぎることがないため、麹をつくりやすいのも特徴です。

端麗で綺麗な酒質の日本酒ができるお米とされています。

高精白の高級酒向けに五百万石と山田錦を掛け合わせた「越淡麗(こしたんれい)」というお米も誕生しています。

 

食べてもおいしいの?

五百万石の米を買うのは難しいかもしれません。

Amazonや楽天なども大手ネットショップはもちろん、酒店や米店でも売ってないんですよね。(1回炊いて食べてみたい。)

 

酒米ハンドブックという本によれば 、普通に食べるお米の精米90%にして炊いて食べたところ、お米の甘みがあって普通に美味しかったそうです。食用のお米よりは若干粘りが少ないそうです。

90%精米の山田錦は粘りがなさすぎて、甘味がなく美味しくないそう。

山田錦よりは食用の米に近い品種と言えるのかもしれません

 

五百万石を使っている新潟の酒 

久保田

久保田千寿

引用元:https://www.asahi-shuzo.co.jp/kubota/senju/

新潟県には多くの酒蔵がありますが、最も有名な日本酒の銘柄が久保田です 

久保田が主に使っているのが五百万石です。

最も普及している「久保田 千寿」というお酒も、五百万石を100%使ってつくられたお酒です。

参考:久保田 千寿 朝日酒造株式会社

 

八海山

清酒 八海山

引用元:https://www.hakkaisan.co.jp/sake/regular/

八海山(八海醸造株式会社)も全国的に有名な日本酒です。

「清酒 八海山(普通酒)」「八海山 特別本醸造」といった一番よく売れているお酒に五百万石が使用されています。(主に麹米として。)

普及品である「清酒 八海山」は「普通酒こそ一番大事」というこだわりを持ってつくられたお酒なのですが、その酒造りを支えているのが五百万石というお米なんです。

 

まとめ

以上、五百万石のという酒米のご紹介でした。

新潟は日本酒生産量では1位の兵庫、2位の京都に次ぐ3位となっている日本有数の酒どころです。

その新潟の日本酒を支えているのが五百万石なんですね。

日本酒を楽しむときは、お米の銘柄にも注目して楽しむと日本酒の世界が広がると思いますよ。

 

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