先日、コンビニでこのお酒を見つけました。「菊正宗 しぼりたてギンパック」です。
先日、イギリスで開催された「インターナショナルワイン・チャレンジ」で「グレートバリュー・アワード」に選ばれたお酒です。
この記事では、「菊正宗 しぼりたてギンパック」を実際に飲んでみたのでレビューしてみます。
目次
「菊正宗 しぼりたてギンパック」とは
「菊正宗 しぼりたてギンパック」は、兵庫県の「灘の酒」の代表の一つである菊正宗が販売している日本酒です。
それも、純米酒、吟醸酒のような特定名称酒ではない普通酒です。
種類というか、分類としてはスーパーなどで販売している大容量のパック酒と同じものになります。
そんな普通酒がなぜ国際的な日本酒コンペで賞に輝くことができたのでしょうか?
「グレートバリュー・アワード」とは
「グレートバリュー・アワード」とは、「インターナショナルワイン・チャレンジ」の日本酒部門(SAKE部門)の賞の一つです。
10万本(720ml換算)以上の生産量、日本での小売価格1,000円以下のお酒の中から選ばれる賞です。
コストパフォーマンスが良いお酒の中で、美味しいお酒を選ぶというのがコンセプトになっています。
お酒は日常の中にあるもの。私たちがいつも飲むお酒にスポットライトを当てるという意図がある賞なんですね。
コスパに優れたお酒の中から選ぶ賞といっても、いわゆる「パック酒」が受賞したのは初めてのなんだそうです。
参考:インターナショナルワイン・チャレンジ(英語のサイトです)
「ワイングラスで美味しい日本酒アワード」も受賞!
また、「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」の2017年の最高金賞に選ばれているお酒でもあります。
「ワイングラスで美味しい日本酒アワード」は
メイン部門
スパークリングSAKE部門
大吟醸部門
の3つがあり、ギンパックはこの中のメイン部門の最高金賞に選ばれています。
メイン部門は、「1.8ℓ 2,600円以下」のお酒の中から選ばれます。
ワイングラスで飲むという日本酒の新しい飲み方を提案するとともに、この賞も日常の中に普通に飲むお酒の中から美味しいものにスポットライトを当てる、という意図をもって催されている鑑評会なんですね。
「菊正宗 しぼりたてギンパック」は、普通酒の中でもプロが認めるおいしいお酒として認められていることがよくわかります。
「菊正宗 しぼりたてギンパック」を飲んでみた
外観はこんな感じです。
カップですが、通常のミニパックやコーヒーのようなストローは付いていません。
カップの口から香りを楽しみながら飲むのを想定したパッケージになっているのだと思います。
このお酒は180mlのカップですが、パックのものもあります。
引用元:菊正宗 しぼりたてギンパック ブランドサイト
900mlで定価748円というリーズナブルな価格です。
「冷蔵庫で冷やしてお召し上がりください」という案内がありますので、冷蔵庫に入れて冷えるまでしばらく待つことにします。
3時間ほど冷蔵庫で冷やしてからグラスに移してみました。
色は完全な透明です。
味と香りの特徴
香りがすごく立っています。本当に吟醸酒のようなフルーティーな香り。
やや辛口、ということでしたが、辛口感はそれほど強くなくスッキリして飲みやすいです。
香りと口当たりは、本当に吟醸酒と同じような感じです。これで普通酒というのは本当に驚きます。
ただ、純米吟醸酒のような米の風味や味の深みは無いかな?(当たり前かもしれませんが)
純米酒や熟成酒が好きな人にしてみるとすっきりしすぎているというか、味が薄いと感じるかも。
旨味と酸味が売りのお酒ではないので、燗酒には全く向かないと思います。表示の通り、冷やしてグラスで飲むのが一番おいしいと思います。
香りと口当たりが良いお酒が好き、という人にはおすすめのお酒です。
お米の風味と旨味、というのは日本酒の独特の風味につながりますので、日本酒は少し苦手・・という人にもおすすめしてみたいお酒です。
「菊正宗 しぼりたてギンパック」の特徴を詳しく
菊正宗のホームページには、「菊正宗 しぼりたてギンパック」のブランドサイトがあり、そこに詳しい特徴が掲載されています。
独自開発の新酵母「キクマサHA14酵母」
まず1つ目は、菊正宗が開発した「キクマサHA14酵母」と名付けられた新しい酵母です。
精米歩合が高い(精米時に削るお米の量が少ない)普通酒でも、吟醸酒のような華やかな香りを引き出すことができる酵母です。
しぼりたて生貯蔵酒
「しぼりたて」というのは、文字通りアルコール発酵している醪(もろみ)から搾って間もない日本酒のことです。
通常日本酒は、搾ってタンクに貯蔵する前に1回、タンクから出荷のために瓶詰をする前に1回と計2回の火入れ(加熱殺菌)を行いますが、「菊正宗 しぼりたてギンパック」は、搾った後に火入れをしない「生酒」のまま貯蔵し、火入れは出荷前の1度だけ行います。
火入れを行うことで香り成分が飛ぶことを最小限にすることで、フルーティーな香りをより多くお酒の中に留めることができるわけです。。
香り成分「カプロン酸エチル」が豊富
「菊正宗 しぼりたてギンパック」は、吟醸香(吟醸酒のフルーティーな香り)の元であるカプロン酸エチルという成分が多いのが特徴です。大吟醸酒や純米吟醸酒と比較しても変わらないくらいの香り成分があります。
ちなみに、原材料に醸造アルコールとありますが、カプロン酸エチルのような香りの成分はアルコールに溶けやすい性質があるので、アルコール発酵している醪(もろみ)加えることで香の成分をお酒の中に留めることができます。
これは大吟醸酒に醸造アルコールを入れるのも同じ理由です。
まとめ
以上、「菊正宗 しぼりたてギンパック」の紹介とレビューでした。
フルーティーな香りとキレの良さが特徴のお酒です。
価格も安いですし、スーパーやコンビニで取り扱っているところも多いので簡単に見つけられます。
パック酒なんて・・と思っている人にぜひ飲んでみてほしいお酒です。
日本酒が苦手な人でも飲みやすいお酒だと思いますよ。