ここでは、改めて日本酒がどのように造られているのか、ということについてお話ししたいと思います。
目次
「精米」お米の表面を削る
酒造好適米(酒米ともいいます)と呼ばれる日本酒造り専用のお米を「精米」します。お米の表面を削る精米作業のことは「磨く」とも言います。玄米の状態からどれだけ精米して削ったかということを示す数字を精米歩合といいます。
食用のお米の場合のように糠(ぬか)を取り除くだけでなく、目指す酒質に合わせてお米の白い部分も削っていきます。
精米後は「枯らし」と呼ばれる工程で3〜4週間ほど倉庫で寝かせて、精米の摩擦熱を取りつつ乾燥したお米に空気中の湿度を適度に吸湿させます。
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【精米歩合】日本酒を作るときの精米技術を解説
日本酒には必ず精米歩合の表示があります。 精米歩合を見ることで、どれくらい削られた(磨かれた)お米から造られたお酒かということがわかります。精米歩合の違いで日本酒の味わいは大きく変わってきます。 この ...
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「洗米」・「浸漬(しんせき)」
お米を洗う「洗米」を行った後、お米の中心まで水を吸わせるまで「浸漬」を行います。糠(ぬか)をきれいに洗い流した後に、水に浸けます、これらの作業はお米の状況や気温や湿度に応じて秒単位で行われます。
「蒸し米」お米を蒸す
お米を蒸して「蒸し米」をつくります。お米が外側はある程度硬く,中心部は柔らかく水分が保たれている「外硬内柔」の状態になるように蒸していきます。
お米を蒸す作業は明け方から早朝に行われます。
お米を蒸した後はすぐに冷やされ、製麹用と仕込み用に分けられます。
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【蒸し米】日本酒を作るときのお米を「蒸す」理由
食用のお米は、通常「炊く」ことで、ごはんとして食卓に並べられます。でも、日本酒を作るときのお米は「炊く」ことはしません。 日本酒を作る時のお米は、洗って吸水させたお米を甑(こしき)という大型のせいろと ...
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「製麹(せいきく)」麹を造る
蒸し米が30℃から35℃の温度まで下がったら、麹室に運び「種麹」と呼ばれる黄麹菌の胞子を振りかけてよく混ぜます。混ぜ終わったら、一まとめにして積み上げて布をかけて10〜14時間保存します。
その後、蒸し米は塊になるので、米の温度を一定にするためにバラバラにほぐして丸一日ほど保存して麹菌を繁殖させた後、小さな木の箱に小分けします。そして、約50時間程経ったら麹室から麹を出して暗く乾燥した場所で20時間ほど寝かせます。
このように3日ほどの時間をかけて麹は造られます。
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日本酒造りにおける「麹」の役割とは?
目次麹の役割麹菌の種類米麹の酵素がデンプンを分解する麹の作り方まとめ 麹の役割 ワインの原料であるブドウには糖分が含まれています。 ブドウの糖分をアルコール発酵させてワインを作るのですが、日本酒の原料 ...
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「酒母(しゅぼ)造り」
日本酒を造るための酵母(清酒酵母)を培養して「酒母」を造ります。
桶やタンクに麹と水を入れて混ぜ、そこに酵母と乳酸を加えます。更にここへ蒸し米をいれてから約2週間から1ヶ月ほど酵母を培養させます。
乳酸を入れるのは、清酒酵母以外の雑菌や野生酵母が繁殖するのを防ぐためで、日本酒は乳酸の入れ方(乳酸の作り方)によって、速醸系と生酛系(+山廃系)に分けられます。
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【酒母・酛】日本酒造りにおける「酒母」の役割とは
酵母は、 ブドウ糖を分解してアルコールを生成させます。 酒母(しゅぼ)とは、麹、仕込み水、蒸し米をまぜたもの(醪:もろみ)の中で大量の酵母を培養したものです。 麹によって蒸し米のデンプンを分解されたブ ...
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「醪(もろみ)」すべての材料を仕込む
仕込み用のタンクに蒸し米、米麹、水と酒母とを入れて「醪(もろみ)造り」に入ります。
日本酒の原料は3回に分けて仕込まれるので、三段仕込みと呼ばれています。
醪の中でお米のでんぷんが分解されたブドウ糖を酒母の酵母が分解(アルコール発酵)することで、お酒が造られていきます。
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醪(もろみ)とは? 日本酒の仕込みは「三段仕込み」
麹と酒母が完成すると、仕込みタンクに原料である(蒸し米、米麹、水)と酒母とを仕込んで醪(もろみ)造りに入ります。 日本酒の原料は4日にかけて、3回に分けて仕込まれます。これを三段仕込みと呼びます。 & ...
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「上槽(じょうそう)」・「ろ過」・「火入れ」
醪(もろみ)が程よくアルコール発酵されたら、お酒と酒粕に分ける「上槽」という醪(もろみ)を搾る工程に入ります。
搾られたお酒はその後、ろ過・火入れ(加熱殺菌)を行います。(ろ過と火入れは行わないお酒もあります。)
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【上槽・火入れ・貯蔵】上槽から日本酒が完成するまでを解説
醪(もろみ)は、程よくアルコール発酵が進むと、「上槽」という工程に入ります。 「上槽」とは、もろみをお酒と酒粕に分ける(搾る)工程になります。 絞り方は圧搾機を使う方法と、昔ながらの袋しぼりと呼ばれる ...
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「貯蔵」
上槽、ろ過、火入れを行ったお酒は瓶詰めして出荷するまでしばらく貯蔵されます。
日本酒は冬の寒い時期に仕込まれることが多いのですが、その後ひと夏を超えて秋まで貯蔵されるお酒や、何年も貯蔵して熟成させる「長期熟成酒」といったお酒もあります。また、貯蔵されないで出荷されるお酒を「新酒」と呼びます。
「加水」
醪を搾った後のお酒のアルコール度数はおよそ20~22%ほどになっているため、出荷する前にアルコール度数や味の調整のために仕込み水を入れる「加水」が行われます。
加水が行われていないお酒が「原酒」「無加水」と表示されて販売されることもあります。
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日本酒の「原酒」ってなに? 「加水」についても解説!
目次原酒とは加水とはなぜアルコール分が20%になるまで発酵させるのか原酒の味わいと飲み方まとめ 原酒とは 原酒とは、発酵させた醪(もろみ)絞った日本酒に、加水を行わずに出荷したもののことです。 日本酒 ...
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「瓶詰め」・「火入れ」・「出荷」
出荷前に再度火入れ(加熱殺菌)を行われます。吟醸酒は瓶詰めしてから湯煎(熱湯に浸ける)することで火入れが行われます。(出荷前に火入れを行わない日本酒は「生詰め酒」と呼ばれます。)
そのご、瓶詰めされて出荷されます。
まとめ
以上、日本酒造りの工程のお話しでした。
日本酒は、このような様々な工程を経て造られていて、造り方の違いによってさまざまな味わいになります。
ラベルを見ながら、ぜひ自分好みの日本酒を探してみてくださいね。